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「……ここは……どこだ?」






オレはゆっくりと彼女を
見据えて言った




彼女は微笑んで、静かに立ち上がり
オレの元へ来た。――蛍の大群を連れて



「ここは<境目>(さかいめ)と呼ばれる、紫(シキ)の民が住む村です。
私は、この村の巫女をやっている――紫(むらさき)と申します」


「紫の民……だと?」


――紫の民。
大昔、人間と妖怪のあいだに立ち、種族のバランスを
影から守ってきた民。


そして、神に1番近いと言われている民。


「はい。 そういう貴方は<狩人>(かりびと)ですね?」


「……そうだ」


<狩人>、いわば人間に害なす妖怪どもを、狩る役目を
かせられている人間たち


「……そうですか。 しかしよかったです。
蛍たちが、貴方のことを教えてくれたんです。
もし、これ以上、治療が遅れていれば大変でした」


一瞬。悲しい顔を見せたが、笑顔になり
蛍たちが、彼女の周りを飛んでいた。


彼女は蛍たちを
優しい眼差しで見ていた。


「蛍が……? オレを……?」

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(4)

レイは、間崎を空から確認すると
間崎の前に、ロウと一緒におりた。


「間崎さん」


レイは間崎に、声をかける。


そうすると間崎は
レイ達を、ゆっくりとみた。


「これは、これは、
リツさま、どうしたんですか?」


間崎は微笑んだ。


「間崎さんだって
こんな所で、何してるんですか?」



「少し空を見てたんですよ…汚いでしょう?」


そう言って空を見つめる間崎


レイも上空を見上げる。しかし空は
街の明かりが邪魔して、星1つ見えない


「昔は……東京も空が見えたんですがね……」

懐かしそうに、悲しそうに空を
見上げる―……


「間崎さん、今さら人間を恨んだって、仕方ないですよ。
もう人間は、自然と生きることを、放置しようとしているのだから……
いいえ…間崎さんではない、アナタ……狂妖と呼ぶべきか……」


―『狂妖』
その言葉に間崎は、反応した。





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(3)

「――あれ?」


北京ダックをくわえた
レイが、何かに気づく


「どーしたの? リツ」


蓮夜は、首を傾げて
レイの偽名を言った



「間崎さんが、いつのまにかいない」


キョロキョロと、周りを
見渡すレイ


蓮夜が、ピクリと
眉を潜めた



レイは、蓮夜に言う


「間崎さんが、
いなくなったってコトは、戦闘開始かな?ね、蓮夜」


レイは
蓮夜のいた方向を見ると、蓮夜の姿がない


「あれ?」


レイは、
当たりを見渡したが、蓮夜の姿はない



「蓮夜なら、さっき逃げたぞ」


ため息交じりのロウの言葉に
レイの頭に、また噴火しそうな
山が見える


「あんだけ……こっち来る前に
聞かせたのに……最後の最後で、いつも逃げやがる」


「けっ」とレイは
吐き捨て、ロウに言った


「ロウ、蓮夜はほっておいて
私達で行こう」


ロウは、そこ言葉に
コクリと頷いた


ロウのあたりが、
いきなり白い煙が覆うと
ロウを包みこむ


そして、白い煙が晴れてくると
そこには大きな白銀の狼が、立っていた



レイは黒い刀を持って
ロウにまたがる


そうすると
ロウの体が浮き
マドが開いている、場所から出た


そして狼と
黒い少女は、空に消えてしまった




――……午前――時――分







――戦闘開始









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――歌が聞こえる


心地よく、高い声
女性だろうか。
その声は、まるで蛍の光のように優しい調べ


オレはゆっくりと、重たい目あけ、
ゆっくりと自分の手を見ると、包帯が巻かれていた
ああ……オレはまだ、生きているのか


ふと優しい歌が、する方向へ
頭をむけた


そこには、女性と思わしき、
後ろ姿があり、縁側に座っていた。漆黒に染まる、長い髪
そして紫色をした、着物と羽織
蛍の大群が女性のまわりを、ゆっくりと光を灯しながら
飛んでいた


歌は、耳に心地よく
まるで、体を癒してくれるように
体に、歌が染み込む


しかし――……この歌と声は優しいが
同時に蛍のように、儚(はかな)いと思ってしまった
その――女性の後ろ姿が
蛍の命は短い、短いのに尊(とうと)く光り、短い命を輝かせる
オレはソレを見て儚く感じる……儚くとも、キレイな命
女性の背中は、まさにソレだった



「……悲しい歌だな……」


ボソリッと吐いたつもりだったのに
思ったより声が、大きかったようで
女性が歌をやめ、顔をこちらにむけた



「お目覚めになりましたか」


微笑みかけた顔も、どこか儚くて――……
女性の顔は、口がホウズキのように赤く、それに映える
雪のように白い肌で、瞳は闇夜のように黒かった


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(2)



「さてリツさま、ヨルさま、もうすぐ夜です。
いったん引き上げましょう。部屋に少なからずですが、
食事を用意してますので」


蓮夜は『食事』という言葉に反応して
「早くいきましょう」と言っていた


レイとロウもいったん引き上げ、
蓮夜と間崎の後を追った


しかし、レイは1回立ち止まり、空を見た
黒く染まる、空を――……








さぁ――……夜が来るよ









レイたちは、間崎に連れられて
殺風景な部屋に通された


そこには、山盛りの食べ物が
机に置いていた


蓮夜とロウは
それを喜んで食べ始めた



ロウは、間崎が小さいお皿を用意してくれて
そこに間崎が、肉やら何やらを入れて、床に置く
ロウは、パクパクと食べ始めた



レイもロウの食べる姿に
つられて、机においてあるものを、食べ始めた

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プロフィール

HN:
結城 レイ
性別:
非公開
職業:
どこぞの学生
趣味:
小物めぐり
自己紹介:
まいぺーす人間
ときに非情。ときに温和。ときに小説を放置。


好きなもの・メロンパン、小物、アンティーク、歌
嫌いなもの・大きな声(イライラします。あは☆←)
勉強、努力すること。
無事に大学にうかり家でだらだら


※ここにある記事の引用、パクリはしないでください。

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