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プロローグ



「あああーーあああーー!! あのバカァァーー! いつになったら、くるのよぉぉーー!!」


静寂の夜。
人々が、寝静まる深夜、月が照らす森の中
少女の遠吠えが、聞こえた。


「うるさいぞ、レイ」


心底うるさそうな、男の声。静かに低い、ため息


その深い森に、黒髪の少女と、白い犬がいた。


白い犬。いや、『犬』という言い方は、誤りがあるだろう。
月明かりにゆれる、銀色の毛並み、そして大きさ
少女の身長にたいして、腰ぐらいまである高さ。

『狼』――……そういったほうが、この犬にふさわしい。


その狼は、人間くさい、ため息をついた。


「叫んでもしょうがないだろう? 来ていないものは」

人語を喋る、狼。
それに、答えて少女が即答する。


「だってぇーー! こんな数、ありえないってぇぇーー!!」


大声で狼に訴えかける、黒く、大きい、少女の目は涙目になっている。


長く、ひとまとめに、上げられている髪がゆれて、あわただしい彼女を表して、いるようだった。


キレイに整った顔は、混乱して、少し歪(ゆが)んでいた。


「それよりレイ、来るぞ」


狼がそういえば、レイと呼ばれた彼女は、眉をひそめた。


「もうっ! 蓮夜(れんや)のばかぁ!! 報酬は、全部わたしが貰うんだからーー!!」


と、少女は、ここに、来る予定だった、人物の名前を叫んだ。


その時――……


今まで静かだった森が、騒ぎはじめた。
気味の悪い、そこらじゅうに生(お)い茂る気配。
それと、腰がぬけそうな殺気。


レイは手に持っていた、黒い刀を出し、構えている。


白い狼は、戦闘の姿勢になる。


そして殺気をおびている、生物の影が見えた。
生物は、一人の少女と、狼に襲いかかる。
そのとき少女は、大声をあげた。


「ロウっ!! いくよ!!」


「分かっている!!」


白い狼は『ロウ』と呼ばれた。



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結城 レイ
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非公開
職業:
どこぞの学生
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自己紹介:
まいぺーす人間
ときに非情。ときに温和。ときに小説を放置。


好きなもの・メロンパン、小物、アンティーク、歌
嫌いなもの・大きな声(イライラします。あは☆←)
勉強、努力すること。
無事に大学にうかり家でだらだら


※ここにある記事の引用、パクリはしないでください。

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