世界の揺りかご
一次造作ぶろぐ
黄昏
「この世に、いらない生命(いのち)なんて、ありません」
彼女は、オレにそういった
ただ静かに、瞳を向けて
♪♪♪
深夜、森の音
ただ静かに、『無』に等しい音
その音を奏でるように、川が、ゆっくりと流れてる
その川沿いにオレは、倒れていた
息を重々しく、はいた
オレは、重たい足をゆっくりとあげようと立ち上がる
が、足は言うことを聞かず、崩れ落ち、水の音がした
自分の倒れた付近を見ると、黒く濁(にご)った血が
広範囲に広がっていた。
ああ、どおりで……力が抜けたと思った……
死ぬのか……オレは……
……それもいいか……
どうせ、オレなんて実験台……変わりなんて
いくらでもいるしな
気が遠くなる
オレは、星空をみた
……もう、目がかすんで、あまり見えないな
オレはゆっくりと、重たい目を閉じようとした
そのとき、眩(まばゆ)い光が目に移った
おれは、目を閉じるのを止め、その光をみた
温かい、命の光……
蛍が1匹、オレの周りを飛んでいる
蛍の光は淡く光っていた
オレは見えない目で、光を追っていた、その蛍は
オレの周りを、心配そうに飛んでるように見えた
……はは……そんなわけ……ないのにな
数分すると、蛍はどこかに、飛んでいってしまった
オレはその蛍を目でおった
その蛍の先に――
星のように、大群の蛍たちがいた
淡く、命の灯(ともしび)は光る
……きれいだな……きれいだなんて、久しぶりに思った
そして――
その群集の真ん中に、人影をみた
その人影はゆっくりと、真っ直ぐに、オレを見つめていた
そこでオレの意識は飛び散った――……
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プロフィール
HN:
結城 レイ
性別:
非公開
職業:
どこぞの学生
趣味:
小物めぐり
自己紹介:
まいぺーす人間
ときに非情。ときに温和。ときに小説を放置。
好きなもの・メロンパン、小物、アンティーク、歌
嫌いなもの・大きな声(イライラします。あは☆←)
勉強、努力すること。
無事に大学にうかり家でだらだら
※ここにある記事の引用、パクリはしないでください。
ときに非情。ときに温和。ときに小説を放置。
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嫌いなもの・大きな声(イライラします。あは☆←)
勉強、努力すること。
無事に大学にうかり家でだらだら
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