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(1)

「間崎さん、ここですか?」


ふいに間崎やレイ、そしてロウの先を歩く
蓮夜が、あるものを見て、いった


間崎は悲しそうな顔になり
コクリと、蓮夜に頷(うなず)いた。


レイとロウは走って、蓮夜の側にいくと、ソコには
痛々しい風景が、広がっていた。


キレイに整えていた森は、盛り上り、
土が見えて、まるで地割れをしたようだった


その隅っこにある、木々は、ボキボキに折られていて、
さっき見た青青としていた、木と全然ちがう、無様(ふざま)な姿になり変わっていた


そして、レイが1番、目についたのは
芝生に赤く、落ちる血だった



レイは間崎に聞いた。


「これは――……この血は、画面に写っていた、人たちの血ですか?」


間崎は、静かに「ええ……」と言った。


血は芝生にドッサリとついていて――……


蓮夜は無残な、そこへいって
何かを調べていた


「リツさま」


間崎は、空を見上げながら、
遠い目でレイに言った


レイは「なんでしょうか?」と言いながら
間崎に聞いた


「これは――…… バツ、なのかもしれませんね」


「バツですか……」


レイは間崎に言う


「ええ、人間は……破壊をしてきた……木々を切り裂き、川を汚し……自然をこわしてきた」


「……」


レイは黙って、
ソレを聞いていた


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黄昏



「この世に、いらない生命(いのち)なんて、ありません」



彼女は、オレにそういった
ただ静かに、瞳を向けて


♪♪♪


深夜、森の音
ただ静かに、『無』に等しい音


その音を奏でるように、川が、ゆっくりと流れてる
その川沿いにオレは、倒れていた


息を重々しく、はいた
オレは、重たい足をゆっくりとあげようと立ち上がる
が、足は言うことを聞かず、崩れ落ち、水の音がした


自分の倒れた付近を見ると、黒く濁(にご)った血が
広範囲に広がっていた。


ああ、どおりで……力が抜けたと思った……
死ぬのか……オレは……
……それもいいか……
どうせ、オレなんて実験台……変わりなんて
いくらでもいるしな


気が遠くなる
オレは、星空をみた
……もう、目がかすんで、あまり見えないな
オレはゆっくりと、重たい目を閉じようとした


そのとき、眩(まばゆ)い光が目に移った
おれは、目を閉じるのを止め、その光をみた
温かい、命の光……
蛍が1匹、オレの周りを飛んでいる
蛍の光は淡く光っていた
オレは見えない目で、光を追っていた、その蛍は
オレの周りを、心配そうに飛んでるように見えた


……はは……そんなわけ……ないのにな


数分すると、蛍はどこかに、飛んでいってしまった
オレはその蛍を目でおった
その蛍の先に――
星のように、大群の蛍たちがいた
淡く、命の灯(ともしび)は光る
……きれいだな……きれいだなんて、久しぶりに思った

そして――
その群集の真ん中に、人影をみた
その人影はゆっくりと、真っ直ぐに、オレを見つめていた


そこでオレの意識は飛び散った――……

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(12)

そう聞くと
蓮夜は、手を差し出す。


「はじめまして、ヨルと申します。」


「あちらで、犬と騒いでるのが、リツと言います」


蓮夜は
視線を、レイに向けた

初老は
ニッコリと笑った

「私はココ、ゴルフ場の管理をしています。 間崎 文哉(かんざき ふみや)と申します。 今日は来て下さって、ありがとうございます」


初老・間崎は、丁寧にお辞儀して
握手した


それに対し、蓮夜も頭を下げて
握手をした


「間崎さん、早速なんですが、現場を見せてくださいませんか?」


「現場……ですか?しかし……」


「大丈夫ですよ。 いきなり襲ってきたりしませんから」


「何故です?」


間崎は、ハテナマークを頭に浮かばせる


蓮夜はニッコリと笑って
こう言った

「なんでも、です」


「まぁ……あなたさまが言うなら……」


間崎は言いながら
「こちらです」と玄関に、手をさしのべた


蓮夜はケンカしてる
レイとロウ達を放置して、玄関に向かった



♪♪♪


深く生い茂る木々がサワサワと風でなびく

森林は人の手により
キレイに整理されていた


「すごいキレイですね」


レイは
感想を言った


「ありがとうございます。 そう言われると嬉しいです」


間崎はニコリと笑って
レイに返した


サラサラと、川の流れる音が
レイの耳に入った



「川もあるんですね」


レイはそう言うと
自分の、隣の溝を見た。 ロウもつられて見る


そこには
チョロチョロと流れる、小川があった


それはキレイで
透き通る川で、小さな魚達が、悠々(ゆうゆう)と泳いでいた


間崎は「ええ」と答えると、続きを話した



「私は小さい頃から、自然が好きで、私の父から受け継いだ、コノ土地で自然を作ってきたんです」


間崎は、レイ達に
微笑みかけた


「リツさまは自然が、お好きですか?」


蓮夜から、教えられた
レイの偽名で、呼び掛けた


「はい、とっても。」


レイも、間崎に
微笑みかけた


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(11)


レイと蓮夜
それにロウは、あんなこんなで依頼主のところに
に車で来ていた


黒い目をした少女は
オレンジ色に染まるキレイな夕日を見ていた


「けっこう掛かったねー3時間弱だ」


蓮夜が
腕時計を見ながら言った


「ねぇ蓮夜、依頼者さん何時に、何処で待ち合わせしてるの?」


レイは蓮夜の方を見て、聞いた


「んー? 後5分で、待ち合わせ時間だよ。 んで、場所はココ」


「へぇー ここなんだ」


レイは、辺りを見渡す


ここは入り口の
玄関先の駐車場である
駐車場は広かった


「ふぅ……」


レイが、ため息をつく


「どーしたの? レイ」


ため息を、つくレイに
顔をのぞきこむ、赤い瞳の少年


「いや……ロウが、マタタビに弱いだなんて、思わなかったから……アレは、すごかった」


ロウが
眉を寄せて、口を挟んだ


「オッオレは、そんなことしとらん!!」


「いや、したからね。 ロウ」


否定の言葉を、即答するレイ

ロウの顔は赤くなり、
言葉をつまらせながら、続けた

「猫の好きなマッ……マタタビに、だれが体をこすりつける!! 私はマタタビなど、キライだ!!」


そのロウの発言に
蓮夜は、キョトンとして


「ろーちゃん誰も、体に、マタタビに擦りつけてたなんて、言ってないよ」

にこやかに、笑う蓮夜


「!!」


ロウは
その場で、呆然と立っていた


頬を赤くして


「オレは知らん!! そんな事しとらん!! ただ、どんな匂いか、嗅いただけだ!!」


「いいや!! 擦りつけてた!!」


レイは、ロウに言う。


「擦りつけとらん!!」


「じゃあ、あの甘えた『きゅーん』って何よ!! 私は、ちゃんと聞こえたからね!!」


「!!!! そんなの、きっ、聞き間違えに、決まっているだろう!!」


「いいや、この耳で聞いたんだから!! ロウの甘えた『きゅーん』って!!」

レイとロウは、
あーだこーだ、言い始めた


そうしているうちに
どこからともなく、初老の男性が、近づいてきた


「あなたがここの、管理人さんで、依頼者ですか?」


蓮夜は
そんな1人と1匹を気にしないで、初老に話しかけた


「はい、そうです」


初老は背が高く、細身、そして白髪頭。 顔はふわっとした、優しい感じを、みにまとっいてた


服装は、茶色の長スボン、上はシャツを着ていた

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(10)

レイとロウが、家に着いたとき
蓮夜がアロハシャツを着たまま、ドア付近で待っていた。


蓮夜は、1人と1匹に気づいて
ニコリと笑う


「おかえりーレイ、ろーちゃん」


そして、レイは
蓮夜に問いかけた


「蓮夜、なに待ってるの? 私たちを絶対、待ってる訳ないし」


「ん? 人聞き悪いなぁー まぁ当たってるけどねー」


ニコリ、と笑う蓮夜


「ちわーす!! 宅配便でーすー」


と大きな大きな荷物を持った宅配便の人が
大きい物に、埋もれていたのが確認できた。

「白崎(しらざき) ヨルさんのお宅はここでいいすかっ!」


と元気に言う新人みたいな配達屋


「そーです。」


赤い瞳を
ニッコリとつぶる青年


「ヨル」というのは
レイたち退魔師の偽名で、下界(一般人が住まう場所)のほうでは
そういうふうに、名前が登録させている


宅配便の人は「じゃあ、ここにサインお願いします」と言う


蓮夜は「はいはい」と
言いながらサインをする


「ありがとうございましたー!! またのご利用お待ちしてます」


と言いながら、去っていった


レイはポケーとしていたが、我に返り蓮夜に聞く


「何……買ったの……? 蓮夜……」


「んー? これだよ」


蓮夜は、荷物にかかっていた
布をとる


ザバッ


布が落ちた。


そこには
大きな大きな束となった
猫が、好きなマタタビがあった。

「へへへーいいでしょ。 ろーちゃんが元気ないから
昨日の仕事で、貰ったお金ぜんぶで買っちゃた」


にこーと笑う蓮夜に対して
レイの頭は、ゴゴゴと山の噴火を始める


レイはガシッと
蓮夜の服をもち、噴火寸前の頭を落ち着かせ
赤い瞳を持つ青年に聞く


「蓮夜……今なんて言った……」


「え? だからー 昨日の報酬ぜんぶ使ってマタタビを―……」


報酬ぜんぶ


その言葉が
レイの頭の火山が噴火する


「ばかーーーーーかぁー!!」


レイの頭は噴火した



「昨日の報酬ぜんぶ使ったぁ!? バカじゃない!! 魔道具だって、もう底ついて来てるのに!! それに犬系統に入るロウが、猫の好きなマタタビに、体を擦りつけるわけないじゃない!!」


蓮夜はキョトンとして
首を傾げる

..
「レイ、アレ見てみてよ」


とマタタビの束をさす


「ああ!?」


レイは、ヤクザみたいな声を出して
蓮夜が、指差す方向を見た


そこにはマタタビと、たわむれるロウがいた


ロウは「きゅーん」という可愛い声をだしながら
マタタビに、体を擦(こすり)りつける。


あんた犬でしょう?と言うのが
レイの呆然とした顔から、うかがえる。



「ご利用は計画的にしてるでしょ?」


蓮夜がにこーと笑う。


いやあんた、何かズレてる、言ってることが
とレイは言いたかったが、ロウの姿を見ていたら、言えなかった

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HN:
結城 レイ
性別:
非公開
職業:
どこぞの学生
趣味:
小物めぐり
自己紹介:
まいぺーす人間
ときに非情。ときに温和。ときに小説を放置。


好きなもの・メロンパン、小物、アンティーク、歌
嫌いなもの・大きな声(イライラします。あは☆←)
勉強、努力すること。
無事に大学にうかり家でだらだら


※ここにある記事の引用、パクリはしないでください。

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